残念ながら会社の良し悪しの実際の所は、中々働いてみるまで分かりません。
せっかく働き始めた職場、できれば長く続けたいものですが、周りを見回すとどんどん人が辞めていく…。そんな状況になっていないでしょうか?
果たしてこの職場で働くことはプラスかマイナスか…悩むのではないかと思います。
人が続かないのはそれに見合った特徴があります。そこで、そのような職場の特徴とそんな職場で働き続けることへのあなたへの悪影響と、身を守るための2つの対策を私の経験からまとめてみました。
もしあなたが今の職場に対して何らかの危機感を抱いているのなら、参考になると思います。
人がどんどん離れていく職場の11個の特徴
- 時間と労力を割かれる泥臭い仕事が多い
- 雰囲気がいつもピリピリしている
- 給料が労力の割りに合わない
- 他部署を敵としか見れない
- 出世に全く魅力を感じない
- 勤務地が片田舎にある
- 気性の荒い人が上の立場にいる
- 専門的なスキルが身につかない
- 会社の将来性がない
- 休職者が多い
- 残業が多い
これらの特徴について詳しくお伝えします。
その1.時間と労力を割かれる泥臭い仕事がかなり多い
まず1つ目。泥臭い仕事が多いという事。
泥臭い仕事ってどんな仕事?
成果に直結するわけじゃない。
でも手続き上やらなきゃいけない仕事の事を言います。
泥臭い仕事は主に社外よりも社内に向けた仕事の方が多い傾向にあります。私の以前の職場は製造業の開発部隊でした。そこでは次のような泥臭い仕事がありました。
こうした仕事はそして1つのアウトプットを出すのに沢山の書類作成、調整事、会議を重ねないといけません。アウトプットが中々でず、成果を感じにくいと言えます。
また後述する「専門的なスキルが身につかない」という事にもつながってきます。正直なところ、やろうと思えば誰にでもできることですからね。そうした仕事は、やっていてもやりがいを感じることはあまりありません。
やりがいを感じれないのは仕事のモチベーションに大きく影響してきます。果たしてそのような仕事を30年40年続けなければいけないと感じた時、定年まで勤めることができそうでしょうか?
その2.雰囲気がいつもピリピリしている
職場全体の雰囲気はよくも悪くも感じることができてしまうもの。それがいい雰囲気だったらいいのですが、悪い雰囲気の場合は嬉しい事ではありません。
自分自身が直接的に怒られているとかいじめられているとかそういうわけではない場合でも、こうした雰囲気はメンタルを徐々にむしばんできます。
その3.給料が労力の割りに合わない
残念ながら我々会社員は、頑張りがそっくりそのまま給料に反映されるわけではありません。これは世の中の会社員全てに言えることです。
ある程度は仕方のない事ではあるものの、あまりにも業務の負荷量が高いにも関わらずそれに見合った給料がもらえない。これは何とも働き損であると思わないですか?
頑張りに応じたインセンティブをもらえるといいのですが、それをもらえる職種も限られています。
参考までに、自分がどれぐらい稼げているかどうかを測る指標として「令和二年分 民間給与実態統計調査結果」のデータを紹介しておきます。この調査によると、給与の平均額は以下の通りになっています。
1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与は 439 万円であり、これを男女別にみると、男性 540 万円、女性 296 万円となっている
令和2年分 民間給与実態統計調査 -調査結果報告- 17ページより引用
我々が働く根本の目的はお金を稼ぐことです。その目的が十分に達成できない職場ならば、人が長く続けようと思うわけがありません。
私の前職と現職を比較すると給料は年収ベースで数十万円アップした程度です。しかしながら仕事に対する負担は天と地との差があると感じています。
今の仕事の方がはるかに楽で、転職して4年たった今でも「お金ってこんなに楽して稼いでいいんだ」と思いながら仕事しています。
いかに以前の職場で労力に見合っていない給料で働かされていたか、という事を実感し続けていますね。
その4.他部署を敵としか見れない
部署間が協力し合える雰囲気になっているでしょうか?
本来なら会社が達成しようとする目的に向かって足並み揃えて進んでいく必要があります。もちろん各部署それぞれ利害がありますのである程度の議論が発生することはあって然るべき。
ですが建設的な議論ではなく、感情的な衝突があるような関係性は決して健全とは言えません。これは足の引っ張り合いをしているだけです。自分の仕事の負担を減らそうと、会社の邪魔をするという迷惑な行為にすぎません。
他部署間の調整をする必要のある人は、自部署と他部署の板挟みにあってしまい、大きなストレスを抱えることになってしまいます。
その5.出世に全く魅力を感じない
出世に全く魅力を感じない職場も要注意。
出世に魅力があるのかないのか、これは今上司がどんな働きぶりを見せているかどうかで分かります。
活き活きしていて、かつ尊敬できるような上司がいて、「将来こんな人になりたい!」と思えるような職場であったのなら、それが会社での1つの目標となって、長く頑張れることと思います。
反対に、上司が毎日死にそうな顔して嫌々仕事をしてる感満載だったらどうでしょう?「この上司の姿がこの会社での将来の自分か…」と将来に対する絶望・失望感しか抱くことはできないのではないでしょうか。
出世をした結果、自分にとってメリットを何も感じないのであれば、その会社にいる意義というのも薄れてきてしまいます。
私も前職は常に「どうやって出世をしないようにしようか」という事を常々考えながら仕事をしていました。
職場の上司を見ていると全く魅力を感じないのです。
こんな風に、昇進してやるぞと思わせるような要素が何一つなかったのです…。私の周りの人たちも出世を望んでいる人は誰一人いませんでした。頑張って頑張った先にある道があれでは、何の展望も持てません。
その6.勤務地が片田舎にある
勤務地が片田舎にあると寄り道していく所もごくわずか。基本的に家と職場との往復で毎日が過ぎていきます。
人間にとって変化のない毎日って結構苦痛です。小さなことのように思えて気づけばメンタルにダメージが蓄積されていきます。
転職活動中に会社の口コミサイトでいろんな会社の退職理由を見ていました。その中には勤務地の不便さを理由に転職を考えたって人も結構いるんですよね。
意外勝つ小さな理由なんですけど、無視もできない理由です。
その7.気性の荒い人が上の立場にいる
気性の荒い人が上の立場にいる。私もそうした経験があるのですが、それだけでストレスのたまり具合は段違いです。
残念な事にそうした人たちは意見を強く言う事に対してためらいがありませんので、自然と発言力も強くなります。結果的にそれが評価されることにつながってしまい、上に上り詰めていく傾向があります。
これも人間関係の1つなので運の要素も多分にあるのですが、そういった気性の荒い人を苦手とする人は多いです。
前職の他部署に、元ヤン上がりの人がいました。機嫌がいい時はいいのですが、機嫌が悪い時の態度が最悪で、私はこの人と絡むのが本当に嫌でした。
上の人に相談したところ、「あいつに対して苦手意識を持っているのは君だけじゃないよ…」という事を言われました。気性の荒い人が苦手なのはみんな一緒なんだなと思ったことを思い出しました。
その8.専門的なスキルが身につかない
その1の事時間と労力を割かれる泥臭い仕事が多いところでも触れましたが、何年仕事を続けても専門的なスキルが身につかない職場も挙げられます。
そんな仕事ばかりやっていると「この仕事、自分じゃなくてもいいんじゃない?」と仕事に対して誇りを持てなくなってしまいます。
加えて「もし自分が全く別の環境に放り出されてしまったら、今のスキルが何もない状態で果たして生き抜いていくことができるんだろうか?」という不安感が常に付きまといます。
そんな風に危機感を抱いた人は、ちゃんと将来を見据えて他の環境へ移っていきます。
その9.会社の将来性がない
将来性がない会社の最悪の未来は、倒産して会社がなくなる事。そうなった時に社員は当然ながら路頭に迷うわけです。
もちろんそんな未来を望む人は誰一人としていませんから、今の会社で働き続けることに危機感を抱いている人は逃げていくのは当たり前のことです。
その10.休職者が多い
はっきり言ってこんな職場は人が続かない以前に終わってると思いますが…。
人間どんなに頑丈そうな人でもパワハラや過度な業務負荷の結果、メンタルに多大なダメージを受けると、休職せざるを得ない状況に追い込まれます。
現状一度でも休職をしてしまうと「その職場では上手くやっていけない」という判断を下されることが多く、そうなるとその人は他部署へ移動してしまう事になります。
当然ですがこんな人が多い職場は人の定着はありません。
前職で一番衝撃だったのが、私の所属部署のチームリーダーと課長が二人同時に休職してしまったこと。
二人とも私から見たら仕事ができる人でメンタルも頑丈そうなイメージがあっただけに、最初は信じることができませんでした。
この経験から、どんな人でもつぶれるときはつぶれる、という事が分かったわけです。
その11.残業が多い
残業するのが当たり前な職場になっていないでしょうか。
残業が当たり前の雰囲気の職場になっていると注意が必要。パーソル総合研究所と東京大学の中原淳准教授(当時)の共同研究によると、残業時間と重篤な病気・疾患の関係性は比例関係にあるという調査結果が出たようです。
不名誉なことに「過労死」が「Karoshi」として英語になるぐらい日本では働きすぎな傾向があります。体を壊して仕事を長期離脱しては元も子もありません。
私の現職は、残業はほとんどありません。残業があったとしても、遅くても19時には終わります。前の会社は毎日21~22時まで残業するのが当たり前だったため、大きな違いです。
働き始めの頃は「こんなに早く帰っていいの?」という気持ちになっていましたが、今になって思い返すと、よくあんなに残業できてたなと思います。
こんな職場にいるとどうなるか
人が続かない職場の特徴を10個ほど紹介させてもらいました。それでは、このような職場に居続けるとあなた自身にどのような影響が及んでしまうのでしょうか。
人がどんどんいなくなって、自分の負担が増える
人が続かないという事は、職場からどんどん人がいなくなるという事。
すぐに新しい人が補充されればいいのですが、人員の補充はすぐにはされないし、されたとしても職場の状況が改善しない事にはまた同じことの繰り返しです。
結果、少ない人員で仕事をこなしていかなければならず、あなたを含めた職場のメンバー一人一人の負担が大きくなっていくことになります。
負担が増えた結果、体調やメンタルをやられることになる
最終的には自分自身も体調やメンタルをやられてしまう事になります。
もしも長期休職に入ってしまうと収入も落ちてしまいますし、復帰したとしても今後の収入にいいえいきょうを及ぼすとは考えにくいです。
言ってみれば最悪な状態に陥るわけです。
自分は体力とメンタルに自信あるから多少のことは大丈夫!!
そうやって自分のメンタルを過信するのは禁物です!
上にも書きましたが、体力とメンタルに自信があるからと言って油断をしてはいけません。私は以前の職場でメンタルが強いと思ってた人がどんどん病んでいく様を目の当たりにしています。
だからこそ、あまり自分の体力やメンタルを過信しないことをお勧めします。いつか倒れる日がくる可能性が非常に高いので。
自分を守るための2つの対策
このように人が続かない職場には人をつぶす要因があります。
基本的に会社を根本から変えることは不可能です。なので、あなたができることは次の2つでしょう。
- 部署異動
- 会社から逃げる
その1.部署異動
行動の1つとして部署異動を願い出ることが挙げられます。
私の以前の職場では、部署異動を願い出た人や、ストレスが原因で休職したのちに部署異動になった人が何人もいました。
その結果、憑き物が落ちたように気楽に仕事ができるようになっていました。
ホントに気が楽になった!
休職してしまった人達も、部署異動によって順調に仕事をしているようでした。だから部署異動で解決できるんだったらまずは最初の一手としておすすめできる方法です。
その2.転職によって会社から逃げる
部署異動でも状況の改善が期待できそうにない場合は、転職によってその会社から逃げる方法をお勧めします。
私自身藁をもつかむ思いで転職をした結果、人生が180度変わるぐらい状況を好転させることができました。もしもあの時転職という行動を起こさなければ、多分回復に長期的な時間を要する不調に陥っていたと思います。
辛い時にぶち当たった時こそ根性出して乗り切る、確かにそういう考えも必要かもしれません。ただ100%否定する気もありませんが、100%肯定する気もありません。
誤解を恐れずに言うと、所詮会社は我々がお金を稼ぐためのツールにすぎないのです。そのツールが自分に合わないものであったら、新しいものに交換することは何ら悪い事ではないと思います。
逃げるが勝ちという意識で転職をする際の、成功の為の基本の4条件
という事で、そんな職場から「逃げるが勝ち」という意識で転職を考えている人に、転職で成功を収めるための基本の4条件をお伝えします。
ネガティブな気持ちのままで転職活動をしていたら成功するものも成功しません。せっかく鳥かごから飛び立つチャンス。ならばよりよい転職先をゲットしたいですよね。
ここに紹介した意識を持って転職活動をしてみてください。
その1.まずはそのネガティブな感情をすてる
冒頭でもお伝えしましたが、「逃げる」という行為に対してネガティブな感情を抱く必要はありません。
私はもうすぐ40歳を迎えることになりますが、この年になって常々思うのが、人間だれしも向き不向きがある、という事。
- 人と打ち解けるのが上手い人もいれば、時間がかかる人もいる
- 理論的に考えて喋るのが上手い人もいれば、感情に訴えながらしゃべるのが上手い人もいる
- リーダーむきな性格の人もいれば、苦手な人もいる
- ある人と気が合う人もいれば、合わない人もいる
今の職場が合わない、というのは、あなたに能力がないのではなく、その職場が不向きだっただけの話。それを受け入れるというのも長い社会人生活を生きていくうえで必要です。こうやって考えたほうが気が楽になりますよ。
得手不得手があるのはあなただけではありません。同じ職場で働いている同僚もそうだし、私だってそうです。これは人間関係も同じような考えで、ある人に対してウマが合う、合わないというのもどうしても出てきます。
「逃げる」という考えよりも、「自分に向いた職場を探しなおす」と考えるようにしましょう。むしろそれが正しい考えです。
その2.自分がいなくなった後のことは考えない
自分がいなくなったら自分が持ってる仕事はどうなるんだろう…。
誰かに任せてしまうのが申し訳ない…。
自分が今抱えている仕事は当然誰かに行ってしまうわけですが、それに対して罪悪感を感じる必要はありません。
退職することに対して何らかのペナルティが課せられるわけでもありませんし、あなたの履歴に傷がつくわけでもありません。
後、あなたのいなくなった後の事を考えるのは会社の上の立場の方々ですし、あなたが辞めたことでその職場が回らなくなるようならば、それはちゃんとした体制を作ってこなかった上の方々の責任です。
次の職場が決まってからあなたがやることは、引継ぎをしっかりやる事だけです。
私は前職は設計・開発部隊にいて、とある製品の担当をやっていました。
その仕事は経験や知識が必要で、私が抜けた後は誰がやるんだろうと思っていましたが、私が抜けた数年後、私が担当していたその製品が生産終了になってしまったようです。
私が抜けたから、という理由ではないと思いますが、そんな事態になっても今の私にはまったく関係のないことで、その事態は私の今の生活に1mmも影響を及ぼしていません。
所詮そんなものです。今の私には影響ないし、大した興味もありません。
その3.会社の人に転職活動していることがばれないようにする
当たり前ですが、会社の人に転職活動していることがばれないように隠れながらやる必要があります。
バレてしまう事で何らかの処分が下ることはまずないですが、社内の人の心中は穏やかではないでしょう。無言の圧力がかかるなど、何らかの息苦しさを感じてしまう事になります。
そうなってしまうと「逃げるが勝ち」というテーマに対して、後ろめたさを感じてしまいます。罪悪感を感じてしまうと、転職活動のあらゆる局面で悪影響が出てしまうことになるので、満足のいく結果が得られなくなる可能性も出てきます。
その4.転職エージェントを使う
転職エージェントを使う事に対してはネットを見てても賛否両論ありますが、私の考えでは「利用したほうがいい」の一択ですね。
というのも、我々転職活動を何回もするわけではありませんし、自分が入り込みたい市場のこと全般や、転職者を取り巻く色々な状況を把握しているわけでもありません。
実際に私も利用したのですが、自分が知らなかった情報を得ることもできましたし、自分が面接するにあたってアドバイスや模擬面接などの対策をしっかりサポートしてくれましたし、何より自分が当時抱えていた悩みを相談できたのが大きかったです。
相談できたことで、自分が今の職場を離れるという考えが間違っていなかったことを再確認することができました。
転職エージェントは会社ごとに求人数や扱う職種などに差がありますが、サービスの質はアドバイザーそのものに大きく左右されます。
幸いなことに、私を担当してくれたアドバイザーは全員経験豊富な人だったので満足のいくサポートを得ることができたのですが、ネットの口コミを色々見ていると、ネガティブなものも見受けられます。
エージェント会社によっては担当してくれたアドバイザーが気に入らなければ変えることもできるようですので、自分が満足できるように利用しましょう。
その他転職活動を本格的に始めたら抑えるべきポイントは沢山あります。これらのポイントについては別の記事にまとめてありますのでご覧ください。
まとめ
人がどんどん離れていく職場というのは、それなりのネガティブな要因があります。
そしてそのネガティブな要因というのは、そのうちあなたにも悪影響を及ぼしてきます。
そんな職場で働き続けることについて、改めて真剣に考えてみてはいかがでしょうか。