こんにちは、Tawaです。
こんな疑問は大手で働いているとどこかのタイミングで1回は頭に浮かんできますよね。
自分も働き始めて数年たってから前の会社辞めるまで、ずーっとその思いが消えませんでしたから。

今回は大手製造業で働くメーカーエンジニアが抱える問題について書いてみようと思います。
設計・開発に所属してるけど設計・開発の仕事を得る機会がない
前職は製造業の開発に8年間勤めてました。地方のそれなりの規模の機械メーカー。
自分の同期は10人ぐらいいたのかな?生産技術とか社内のIT担当部署とか、原価管理なんかにまんべんなく配属されてたんですよね。
同期がこうやってまんべんなくいたってことはありがたかった・・。
まぁそれはいいとして、そんな同期は図面とかバリバリに描いて仕事がどんどんできるようになってたり、ITの知識がめっちゃついてたりしてる一方、自分はいつまでたっても自信を持って「これができる!」といったスキル・技能を習得することが出来ませんでした。
自分は果たして何ができるようになったのか、そんな思いをずっと抱えながら仕事してたんですよね。
いわゆる劣等感というやつ?

結局いろんなことが重なってその会社は離れたわけですけど、結局その会社にいて、何ができるようになったの?って思いは消えることはありませんでした。
設計・開発部隊はスキルアップの機会がない?
製造業の設計・開発部隊が抱えてる問題の1つに、メンバーがスキルアップできる仕事を得る機会がないってことがあげられます。
仕事が単純にないのか?っていうとそんなことはなく、基本的に設計・開発って忙しい。
一方でスキルアップの機会がないっていうのも矛盾した話なんですが。
残業月40時間とか60時間とかそれ以上行ってる人がざらにいます。

なんで忙しいかっていうと理由は2つあって、
- 単純に人が足りてない
- 業務が煩雑で時間とられすぎ
こんなことがあげられます。
製造業の開発プロセスって昔と比べるとどんどんめんどくさくなってきてて、ホントにこんな書類いるの?とかなんでこんなに会議やらなきゃいけないの?とか、必要性があるかどうか疑問な仕事がめちゃくちゃ増えてきてるんですよね。
そんな仕事に時間を費やされてるもんだから中々スキルを要する仕事に集中できない。
こんな現状があるわけです。
社内の人間じゃなくてもできる仕事=図面描いたり試作作ったり技術的なスキルを要する仕事
そんな状況のなか、仕事は納期通りに回してかなきゃいけない。
じゃあどうしなきゃいけないかって言うと、リソースの確保をしなきゃならん。
当然の流れですよね。

でもリソースは社内にはない。ってことでどうなるかっていうと、派遣の登場になるわけです。
書類仕事ってのは個人的には意味のある仕事だとは思いませんが、開発・設計プロセスに必須の仕事です。
この仕事を回していくためには社内の人とすり合わせしなきゃいけないし、社内の事情を熟知している必要がある。
一方で、設計・製図みたいな技術的なところはある意味社内事情を熟知してなくてもできちゃうわけです。
となると、仕事の区分け的には、
- 開発・設計プロセスを進めていくための書類、社内調整業務→社員
- 設計・製図などの技術を要する業務→派遣
って言う風に仕事の分担が決まってしまうと。
その結果がどうなるかって言うともう予想できてるかも知れないですが、スキルアップできるのは派遣ばかりで、技術のある社員が育たないと言う風になるんですねえ。
社内に技術力がない=外にお願いするしかない
その状態が続くとこれはもう悪循環で、社員個人個人の話ではなくその会社自体に技術力が身に付かなくなってしまうという流れができてしまいます。

技術がないから、製品設計・開発を外注化したり、OEM供給してもらうしかないと。
実際に私の所属チームが担当していた製品がこんな感じで、製品のラインナップのほとんどが買い入れ品だったり、外注が設計・製造してる状況になってたんですね。
自分がやれたことと言えば、新製品を外注先にどんなスペックで作ってもらうか記載する「要求仕様書」という書類を作成、外注が作ってきた試作品が使用通りにできているか確認するための評価試験、社内の調整事や会議の準備、製品販売のための取説作成と、おおよそ世間一般に通用するスキルの身につくことのない、こんな仕事ばっかりだったんですね。
自分で製品の設計をしたり、図面書いたりって機会はほぼありませんでした。
なので社内事情の把握とか、仕事の回し方や仕事を進めていくために必要なコミュニケーション能力なんかは習得できたと思うけど、肝心のエンジニアとしてのスキルは身につくことはなかった。
社内で設計・開発担当するよりは技術系派遣の方がスキルは身につく
この経験を通して思います。
大手の製造業で設計・開発しててもスキルなんてほとんど身につかないって事を。
ホントにどこでも通用する技術力を身につけたかったら、技術系派遣の正社員として色々な会社の製品設計・開発に携わったほうがいいんじゃないか、そう思うんですよね。
実際前の会社にいた技術系派遣の人なんて社内の人間が知らない3次元のCADソフトをバリバリに使って仕事してたし、転職活動中に興味があった技術系派遣会社の会社説明会聞いてても、あーこりゃこっちのほうが技術力身につきそうだなって思ったし。
↑ちなみにこの技術系派遣会社の求人には応募して最終面接までいったものの年齢に見合ったスキルがないってことで落とされました・・・(笑)
もしあなたが私と同じ閉塞感を抱いてるんなら、それは正しいかもしれない・・・
こんなケースって私だけじゃないと思う。
もしあなたが私と同じ閉塞感を抱いてるんなら、おそらくそれは正しい。
たぶんそのまま会社に残り続けても他の会社で通用するスキルって身につくことはないと思いますよ。

もしこの現実に対して危機感を持ってるってんだったら、何とかしたほうがいい。
私は結局その会社から逃げたわけですが、転職して3年たった今も、ホントに逃げてよかった、その思いしかありません。後悔0%です。(逃げた理由はいろいろありますが)
特に年齢を重ねれば重ねるほど転職って難しくなりますからね。
35歳転職限界説はもうなくなったなんて言われてますけど、それはちゃんと年齢に見合ったスキル・技能が身についている人に限った話。
私みたいなほかの会社で役立たず人間は35歳の限界説はまだあるってことは断言します。
さて、これからあなたはどうしますか?
あなたのエンジニアとしての人生、どうか後悔のないように・・・。