会社で働く以上、必ず雑用仕事を任されることがあります。雑用仕事は簡単で誰でもできる一方で、中々成果や成長を感じにくい仕事。
どうしても「なんで自分がこんな仕事やんなきゃ…」とストレスに感じてしまうのも無理はありません。
ただ、せっかく任された仕事なので、自分なりに意味を見出してやってみませんか?この記事では、雑用をすることで得られるメリットを紹介します。
一方で、いつまでたっても雑用しか仕事をさせてもらなかったり、度を越えた雑用を押し付けられた場合はパワハラ案件になる可能性もあります。なので、雑用によって過大なストレスを感じている人にも読んでほしいと思います。
雑用を引き受けるメリット
雑用には次のような仕事が挙げられます。
こういった仕事は一回やり方を覚えてしまいさえすればすぐにできる仕事で、とりわけ専門的な技術や知識は不要です。こういった仕事をこなすことで一体何のメリットがあるのか、見ていきましょう。
その1.信用や信頼の貯金がたまっていく
基本的に雑用は誰にでもできる一方で、めんどくささも感じる仕事です。なのでこなさなければいけない仕事を沢山抱えている上司や先輩はできればやりたくありません。
そうした時に自分から雑用を引き受けていくことで、上司や先輩からはすごくありがたがられます。
それが上司や先輩を始め、同僚からの評価につながり、結果的に信頼や信用を高めていくことになります。それが自分自身の今後の仕事のやりやすさにつながることになります。
私も今までの社会人ライフで後輩を何人か面倒見てきましたが、雑用を嫌々やる後輩よりも一つ返事で素直にこなしてくれる後輩の方が印象は全然よかったです。
印象の良い後輩には色々と目をかけてあげたくなります。逆に嫌々やる後輩は「もう勝手にやってくれ」と内心思いながら指導をしていました。
私自身、何か仕事を頼まれる時はとりあえず「分かりました」を一番最初に言うようにしています。まず「わかりました」と返事をすることが1つの好印象となって査定では高い評価を得ることができ、結果的に給料アップにつながっています。
信頼や信用というものは一朝一夕で獲得できるものではありません。小さい仕事を何度も何度も快く引き受けていくことで、ようやく構築されていくものです。
その場の気分次第で快く引き受けたり、逆にウダウダ言って引き受けなかったり、というのは良い印象を与えません。それどころか「こいつは気分屋だ」というレッテルを貼られることになるので気をつけましょう。
雑用を快くこなすことで自分の為に「信用」「信頼」貯金を貯めていこう!
その2.今後の仕事をこなしていくうえでの基盤になる
雑用はこれから高度になっていく(はずの)仕事の基礎・基盤になります。
ついつい雑用は自分にとって何の身にもならない無駄仕事、と考えがちです。ですがこれから会社で仕事を進めていくのに必要な基礎知識的な事を身に着けることができます。
もっと専門的な仕事をこなしていきたい、という気持ちも分かりますが、こうした基盤あっての仕事です。ここは腐らずにしっかりとこなしていってください。
逆に簡単にこなせる仕事で仕事の基礎を習得できると考えると、お得感すらあるのでは?と個人的には思います。
雑用は会社で仕事を進めていくのに必要な基礎知識が手に入る!
その3.他部署の人と顔見知りになれる
雑用の中には他部署の人が絡む仕事も存在します。
本格的に仕事を任されると、他部署の人に色々とお願いすることや、一緒に会議をすることも多々あります。そうした時に、一度でも顔合わせをしておけば少しは仕事がやりやすくなるとは思いませんか?
自分の宣伝をすると思えば、やる意味も感じられるようになると思います。
雑用の質を上げていく
雑用と言えどせっかく任された仕事、だたこなすだけではなく質を上げていきませんか?
当然雑用のアウトプットも良し悪しがあります。アウトプットのクオリティを上げるために次の2つのことを意識して行ってみてください。
依頼された雑用の意図をくみ取る
その仕事はなぜ行う必要があるのか、それを依頼された背景は何なのかという情報を聞きだして、その目的に沿うようにこなしてみてください。
この意識があるのとないのとでは、アウトプットのクオリティが全然違ってきます。
例:書類の印刷を頼まれたとき
例えば上司から書類の印刷を頼まれたとき、次のように頼まれたとします。
ちょっと印刷してもらいたい書類があるからメールで転送するねー。とりあえず3部印刷しておいてくれる?
これを言葉通りに受け取って3部印刷して渡すというだけでも、上司から依頼されたことは達成できます。ただ、それ以上のアウトプットを目指してみてはいかがでしょうか。
この辺りの情報を上司から聞き出し、その目的に沿うようなサポートをしてあげると、上司も「あ、こいつはちゃんとコミュニケーション能力があるやつだ」と思ってくれるでしょう。
依頼側のミスがないかチェックしてみる
例えば書類の回覧を依頼されたときに、書類に不備がないか軽くチェックしてみるのもいいかもしれません。
依頼側もしょせん一人の人間なので、ミスをすることも十分に考えられます。ちょっとしたミスが後々大きな問題になるという事も十分想定されます(実際に私はこうした経験を何度もしてきました…)
そうした時にミスを依頼側に教えてあげると、大きな問題を防ぐことができる場合もあるので依頼側からはとても感謝されると思います。
これも相手がそれを依頼する目的をちゃんとくみ取ることができれば可能です。
例えば客先提出用資料の印刷を依頼されたとき、どこ向けの資料か、一言聞いてみてください。そうすると、次のようなことに注意すればいいことが分かります。
先に挙げた信用・信頼にもつながってきますので、こうしたちょっとしたところで気遣いを見せるようにしてみて下さい。
雑用しかさせてもらえないことに不安を感じている場合
自分を責めない
そうはいっても、やることが雑用しかないと不安も感じてくるものです。
そういった場合、「ちゃんと職種や職位、経験や現在の業務負荷に対して適正な仕事を割り振れていない上が悪い」と考えるようにしてください。
仕事は自分からとってくるものだ、と寝ぼけたことを言う上司もいるとは思いますが、それは部下に適切に仕事を割り振っていない職務怠慢に過ぎません。それは「お客様は神様だ」と考えるお客と同じぐらい愚かな考えです。
もちろん自分自身ではそうした意識を持つ必要はあると思います。ですが雑用しか任されていない状況だと、自分ができる仕事というのも限られてきます。加えて、そもそもどんな仕事があるのかすらわからないですよね。
あまり「仕事がないのは自分がすべて悪い」と、自分自身を責めないようにしましょう。
4,5年上の先輩の話を聞いたり、仕事の様子をみて、「やばいな」と感じたら…
不安がぬぐえないようなら、4,5年上の先輩に、今どんな仕事をやっているのか聞いてみたり、横からコソっとのぞいてみたりしてみてください。
そこで、自分が思い描いている仕事ができているようだったら、しばらくは我慢して今の仕事に専念するればいずれ状況は良くなっていくと思います。
一方で、次のようなことを感じたら、そもそもその仕事自体あなたにとって合わないものであるのかも。部署異動や、将来的には転職も見据えたほうがいいのかもしれません。
私自身、思い返すと新卒の頃から心の奥底にそういった気持ちがあったのかもしれません。それに気づけずに8年経って、ようやくその会社を去ることにしたわけです。
悪意を感じる雑用の押し付けはパワハラ案件かも。
雑用は基本的に必要な仕事です。ですが理不尽な量だったり、逆に簡単すぎる仕事しか与えられなかったり、明らかにやる意味のない雑用を長期間にわたってやらされる場合など、悪意を感じられる雑用であれば、それはパワハラに該当する可能性もあります。
「ハラスメント基本情報」 ハラスメントの類型と種類
ハラスメントの類型と種類|あかるい職場応援団より引用
【④過大な要求】- 新入社員に必要な教育を行わないまま、到底対応できないレベルの業績目標を課し、達成できなかったことに対し、厳しく叱責する。業務とは関係のない私用な雑用の処理を強制的に行わせる。
【⑤過小な要求】 – 管理職である労働者を退職させるため、誰でも遂行可能な業務を行わせる。気に入らない労働者に対する嫌がらせのために仕事を与えない。
組織に属していると中々気づきにくいものではありますが、もし雑用を振られたときに悪意を感じるようであれば、然るべき社内の窓口、もしくは社外の相談窓口に相談するようにしましょう。
まとめ
雑用は ”基本的には” 会社や自分自身にとって意味のある仕事です。
これから高度な仕事をこなしていくうえでの練習にもなるので、雑用ばかりと腐らずに積極的に取り組んでみてください!