こんにちは、Tawaです。
仕事柄、海外に輸出する機械の安全対策に関わることが多いです。
そんな私が考える、日本と欧州の安全対策の違いについて。
日本は安全第一とはいいつつも・・・。
安全第一、当然守られるべき事です。多くの企業が安全第一を掲げています。

でも私がイメージする日本の製造業の意識って、ラインを止めない事 > 安全です(笑)
納期のためなら危険な作業もなんのその、安全柵すら飛び越えてみせる!
そんな勢いですね。アホか。
真面目で勤勉な(笑)日本人は納期のためならなんだってしてしまいますし、そもそも人間はミスをする生き物ですから、ヒトだけで安全を保とうとするのは限界があります。
実際に今でも製造業での労働災害は絶えませんからね。
欧州では機械の構造や制御システムで安全を担保するのが一般的
一方で海外は安全を機械の構造や制御システムで保とうというのが一般的です。(躾も当然行われています)
そしてこの安全を担保するためにめんどくさい手順をいくつか踏みながら機械を設計・制作していく必要があります。
- 予想できる馬鹿な使い方はどんなことが想定される?
- 安全対策を追加したら別の箇所が危険にならない?
- システムが危険な壊れ方をする確率はどれぐらい低ければいい?
などなど、考えることはたくさんです。
なので欧州に機械製品を輸出するメーカの技術者はほぼ全員頭を抱えます(笑)
一応日本でもこんなことやってねっていう指針はあるけど・・
一応日本でも安全対策を機械の設計や制御システムで構築できるようにしてね、という指針はあります。そしてそのためのJIS規格も用意されてます。

ただ残念なことにそれは努力義務であって絶対にしなきゃいけないっていうわけではないんです。
日本の機械もある程度の安全対策は施されているが・・・
日本にある機械も全く安全対策をしていないわけじゃないです。
機械メーカの人たちだって自分たちが作った機械で人がけがをしたり、死んだりしてほしいとは全く思ってないです。
でも機械の納入先の現場によっては機械に施された安全対策を人為的に無効化して使うところがあります。(欧州に輸出する機械はこの無効化の対策も行う必要もあります)
なんとも悲しいところではありますが。
日本で欧州方式の機械が浸透しないワケ
もし日本で欧州並みにガチガチの安全対策を施した機械を納入しようとすると、それは確実に嫌われます。
というのも、そんな機械はコストもかさむし、作業効率も落ちるしメンテナンスもしづらいからです。
勤勉な(笑)日本人には嫌われて当然ですね。
こんな状態で安全第一とか言ってるんだからもう笑うしかないですよね。
日本の製造業のレベルは素晴らしいが
とはいえ、日本の製造業のレベルは世界的に見ても高いと思います。これはもう胸を張っていい。
トヨタをはじめとする製造業は日本を支える重要な産業の1つと言っても過言じゃないと思います。
でもこと安全に関していえば欧州よりも遅れを取っているんじゃないかなと感じます。
安全と製品の品質、この2つが担保できるとよりレベルの高い業界になっていくのでは、と感じます。